この日(04/28)から、ホークスは、前年(1983年)の覇者・西武を、ホームグランドである大阪球場に迎えての3連戦。この時点では、ホークスは、首位:近鉄に2.5ゲーム差をつけられているとはいえ、勝率5割で、3位を堅持。
一方、対戦相手の西武はというと、この年、開幕から、投手陣がピリッとしません。投手陣が踏ん張り、試合を作ったかと思うと、打線が沈黙という試合も、しばしばあり、このシーズンの西武は、中々、上昇気流に乗れませんでした。極め付けは、4月6日から4連勝・3連敗・3連勝と、盛り返してきた状態で、(雨天中止などで)5日間試合がない状態が続き、良い流れが途切れてしまったことでした。そのせいかどうかはわかりませんが、その次の対阪急3連戦(4/24~4/26)を●●○の1勝2敗で終えることに。
そして、その次の試合が、この日(04/28)のホークス戦でした。なので、西武のこのシーズンの状態からすると、十分勝機が見いだせると思われます。
この対西武3連戦の初戦であるこの日(04/28)の先発は、山内孝徳。これまで3勝負けなし。先日(4/24)畠山が好投し、初勝利を挙げたばかりでしたので、この日も、かなり刺激を受けた状態での登板になっていると思われます。なので、この試合前の山内孝のモチベーションはMAXに達しているのではないでしょうか。
相手先発は、前年(1983年)ローテーションの一角を守り、リーグ優勝に貢献した杉本。試合は、山内孝、杉本の投げ合いとなった。両チームとも、2回に1点ずつを取り、こう着状態へ。1-1の同点で迎えた7回裏、2番手・変則左腕の長射保から、ナイマンが4号スリーランを放ち、4-1とリード。ホークス先発の山内孝は、8安打(2四死球)を浴びながら、1失点完投、4勝目を挙げた。打では、決勝のホームランを含む2安打を放ったナイマンはもちろん、4打数4安打と大当りの河埜の活躍も目立った。
しかし、まだまだ、貯金1.勝って兜の緒を締めよ、だ。
対西武3連戦の2日目(4/29)、この日の先発は、エース・山内和。この年の山内和は、今一つピリッとしません。前年(1983年)、東尾(西武)と分け合う形で、最多勝利投手のタイトル(18勝)に輝いたのですが、パ・リーグで2年連続最多イニングを投げ、かつ他球団に比べ、走・攻・守・救援陣の援護が乏しいホークスで、エースを張るのは、精神的にも、肉体的にも消耗が激しかったのではないでしょうか。その影響が出始めたのかもしれません。
そんな、調子が今一つの山内和でしたが、この日は、西武打線を、6回0/3を2安打3四死球自責点1に抑え、まずまずの投球内容を見せました。しかし、試合は7回に山内和をリリーフした矢野が、いきなりジェリーに5号ホームランを浴びます。なんとか2アウトまでこぎつけたものの、金森に四球を与えたところで、左腕の竹口にスイッチ。代わった竹口もスティーブに2点タイムリーを浴び、逆縁を許します。その後、森口が後続を断ち、4-5と1点リードされた状態で、終盤へ。
森口は、ランナーを出しながらも、8回表を0点に抑え、味方の反撃を待ちます。
(おお、森口、これまで、点を取られるイメージしかなかったが、すばらしいぞ、森口)
西武は、8回裏になると、このシーズンから西武に移籍してきた新守護神・江夏が登板。しかし、その江夏の代わり端を、4番・門田が捉え、5号ホームランを放ち、5-5の同点に追いつきます。そして、続く5番・ナイマンの2塁打を足掛かりに、7番・新井が逆転のタイムリーを放ち、遂に6-5と逆転します。
こうなると、9回表は、守護神・金城の出番です。金城は、2番・金森から始まる西武打線を3人で斬って取り、7セーブ目。ホークスは西武の守護神・江夏を打ち崩して、2位へと浮上しました。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 点 安 失
西武 0 0 0 0 0 1 4 0 0 5 7 1
南海 0 1 0 1 1 1 0 2 x 6 11 1
今度こそ、同一カード3連勝したいホークス。この日(04/30)の先発は、前回(04/24)の登板(日ハム戦)で好投した、2年目のホープ・畠山。一方西武の先発は、右のアンダースロー・松沼博久。松沼博久は、入団(1979年)して以来、ローテーションの一角を守り続けている、投の軸の一人です。
(この人が投げると、いつも打線が沈黙するんですよねぇー、対松沼博久線は、打ち勝った記憶があまり、在りません。この日は、あまりきたいできないかと、思いつつ…)
ホークスの先発・畠山は、1から3回まで毎回1点を失う苦しい展開。しかし、以降6回途中まで、西武打線を3失点(自責点2)に抑えることができたのは、及第点と言えます。ホークスはその後、兄やん(松沼博久の愛称)から山本和範の3号ツーランで、2点を返しますが、期待の新人加藤伸一(1983年ドラフト1位)と、森口が1点ずつを失い、2-5で敗戦。ホークスは、またしても、3連勝を逃します。ただ、この試合、2回2/3を1失点と、好投したことが、この試合での光明と言えるでしょうか。今後の、加藤の活躍に期待。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 点 安 失
西武 1 1 1 0 0 0 0 1 1 5 13 0
南海 0 1 0 0 0 0 2 0 0 2 4 1
by 永遠のホークスボーイ